芎帰調血飲第一加減ってご存知でしょうか?
芎帰調血飲第一加減の使い方とその応用
○構成生薬から特徴を知る
処方名の冠にある〔芎帰〕すなわち〔川芎〕と〔当帰〕とされ、
この両種の生薬から構成される処方名を芎帰湯と称されています。
また、仏の手のような神妙な効き目から「仏手散」との別称があります。
出典は『普済本事方』ですが、一般には川芎と当帰等分で用いられています。
この書では、産後、傷胎、崩中などの出血過多による眩暈、妊娠時の腹痛、難産などに使用、
少量で血を補い、大量で駆瘀血、胎児を下ろすといわれています。
数年前の韓流ドラマに〈チャングムの誓い〉が放映されていましたが、
皇后の流産と死産に対し「失笑散」投与も効果なく、
この「仏手散」の服用により生命の危機が救われたとの
逸話が紹介されていました。
ほかに地黄・芍薬・牡丹皮・益母草・桃仁・紅花・延胡索などの
補血、活血、駆瘀血的に働く各生薬、
また、増血や停滞物を流動させるため白朮・大棗・陳皮・烏薬・枳実・木香など
補気薬、利気薬が配合されています。
○“調血”の文言から特徴を考える。
漢方で言う血証の治療方法は、血の不足に対する補血、血の停滞や機能の低下に対する
和血、活血、駆瘀血、出血に対しての止血などの表現があり、
“調血”とは、まさに“血を調える”であり、各生薬の配合から、補血や活血に偏らず、
血証一般すなわち女性特有の諸疾患に用いるファーストチョイス商品であり、
留守番処方とも言われている所以です。
○応用を知る(吉岡孝麿著:継承漢方による匙加減より)
*産後の聖薬=いわゆるマタニティーブルーに
*産後の諸症=乳汁不足(催乳)、悪露が下りない、血脚気(力が入らず、腹部軟弱)
*子宮内膜症、子宮筋腫、下肢動脈瘤、膣びらん、2人目の不妊
*足腰の冷え、腹部の冷え(血流改善)等
○効能効果を再確認する(添付文書から)
体力中程度以下のものの次の諸症。
ただし産後の場合は体力に関わらず使用できる。:
月経不順、産後の体力低下、血の道症
便利な漢方処方ですね。そして温活ですね。
夏ほど婦人科疾患が多くなるのは、冷たい飲み物、エアコン、シャワー習慣で
身体は冷え冷え。そこに鎮痛剤等の使用でさらに体調を悪くしますね。
モリタニ薬店ではよく使っていますよ。
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